悠然たる存在の足もとで
少しづつ
ひとつづつ
丁寧に
五感を取り戻す
置き去りにした言葉が
遠くから風にのって
ふわりとやってきた
単語が積み重なり
ある日の物語を思い出す
時間の砂に埋もれていた風景が
夕陽に混じって
セピア色の写真のように
瞼の裏に映し出される
懐かしい温もりは
お臍の奥からまぁるく
幾重にも波紋を起こし
乾いた埃の匂いが
嗅覚をくすぐる
コホンと咳がでた
喉の奥から舌へと
柔らかく甘い感触が
滲み溢れ口内が潤う
ねぇねぇ
と
齢150の翁に
この瞬間の意味を
問いかけてる
応えはいらない
今日もありがとう
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