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屋久島ひとり旅 其の二 もののけの森 白谷雲水狭

縄文杉トレッキングを無事に終えてホテルに戻る。

降り始めた雨もやんで柔らかな夕焼け空が広がっていました。

今回お世話になったホテルはシーサイドホテル屋久島

とても素晴らしいお部屋でした。

温泉付きということに惹かれて選んだので

昔ながらの温泉宿的な部屋かと思いきや

新館のとてもモダンなお部屋。

海に面した広いテラス付き。

キングサイズのベッドがふたつの

ひとり旅には贅沢過ぎる空間。

たくさんの修学旅行の高校生たちが泊まっていたのですが (屋久杉ツアーで度々追い越されたあの子たち!)

その学生の団体が旧館に宿泊していたので

ホテル側のご配慮で新館の真新しい部屋をご用意してくださったのかもしれません。

ありがとうございます。

そして昨日と同じように

ツアー会社から明日のトレッキングの案内。

なんと明日の参加人数は 私ひとり!

夜も更けた頃には雲行きが怪しくなってきました。

11月下旬というのに台風が近づいているという。

海の風に煽られた波や雨音が徐々に大きくなっていく。

明日は本当に決行できるのか?

そんな心配をしつつも

心地よい疲労感とともに

この日も早めに就寝。

 

朝起きると引き続き強めの雨。

この雨では登山はきっと無理だなー。

中止だろうなー。

まあ仕方ないよねー。

などとかなり消極的な心持ちで

ホテルのロビーで今日のガイドさんを待つ。

真鍋さん。

どんな方かなーーー。

参加者ひとり、一対一だから

余計に気になるところ。

程なくして現れたのは

50代後半?くらいに見える小柄な男性。

(あとから知ったのですがもうすぐ70歳とのこと!)

挨拶をすませて

雨だけれど大丈夫ですか?と聞くと

行ってみましょう!と

大丈夫でしょう、と。

予想に反してさくっとお返事。

私の内側の不安は更に広がる・・・・。

心の声は。

≪この雨の中、 台風の中、 本当に? えーーー大丈夫なの? 本当に大丈夫なの? このガイドさん、 大丈夫なの???≫ (ごめんなさい!)

まったくもって私は小心もので

人を見る目がないというか・・・。

まだまだです。

スミマセン。

 

登山口まで車で30分くらい。

その間に真鍋さんがいろいろ身の上話をしてくれる。

島生まれ島育ちということ。

昨日のガイド田中さんも後輩だということ・・・などなど。

なんとなく緊張していた私の気持ちも

徐々に解れていくのが分かります。

真鍋さんも、

縄文杉登山の翌日の50代女性ということで

少し心配されていたよう。笑

縄文杉翌日は

筋肉痛で足を引きづっている方もいるらしく。

スタスタと歩いて来た姿をみて安心したみたい。

私自身も若干不安だったものの

日々のヨガの練習のおかげか(イェィ!)。

 

登山口についた頃には雨は更に本格的に。

それでも

「行けるところまで行きましょう」と真鍋さん。

「屋久島はひと月のうち、三十五日は雨」と言われているるほど雨の島。

雨のたびに中止してたらきっとなかなか登るチャンスも少なさそう。

了解です。

もし途中で難しそうなら

いつでも引き返してもらって大丈夫ですから、と私。

念のためと用意した(陶宝で35元の!)雨合羽が活躍する。 (すっかり雨の日の“外买”姿です←わかる人には分かる www 笑)

片手にはストック、もう片手には傘という姿。

携帯も濡れないようにビニールに入れてリュックの奥の方に。 (この時点で写真を撮ることは断念。)

あとはただ

島生まれ島育ちのガイド真鍋さんのおっしゃることに従おうと決めました。

屋久島は火山島で花崗岩。

なるほど。

雨が降ってもそのざらついた岩肌のお陰で滑りにくい。

泥がないので足元がぐちゃぐちゃにならない。

とは言え、片手は傘。

慎重に足を運ぶ。

吊り橋の下を流れる川の轟轟と流れる音。

とめどなく降り続ける雨水が

岩山の溝と言う溝に小さな水流を作り出している。

その流れを

落ち葉が堆積して水の流れをせき止めている。

渓流の前。

真鍋さんはぽんぽんぽんっと

飛び石を軽やかに渡って

あっという間に

5メートルほどの向こう岸へ。

私は

その激しい流れを見ただけで怖気づいていた。

ひとりだったら絶対渡らない。

渡れない。

ためらっていると

真鍋さんが途中の飛び石まで戻って

足の着く位置を指示して

手を差し伸べてくれる。

無事向こう岸へ。

 

激しい雨音と

滝のように流れる渓流の轟音以外に何も聞こえてこない。

どこか異次元に迷い込んだような気持になる。

湿度と雨飛沫で視界は靄に包まれ

深い森がさらに遠くまで続いているように見える。

ああ

本当に

来てよかった。

傘をさしてでも

登ってきてよかった。

雨だからこそ見える景色

いくつもの自然が共鳴する音

水分をはじく苔が放つ光。

全身が魂ごとにその深い森に吸い込まれていくような不思議な感覚。

 

すでに全身びしょ濡れになりつつも

目的地のひとつ

『苔むす森(もののけの森)』まで到達。

言葉に出来ないような時空間を前にして

呆然と立ち尽くす私に

真鍋さんが

せっかくだから写真撮ったら?と

傘を持ってくれる。

更に雨足は強く。

空も次第に暗くなってきた。

「ここで引き返しましょう。」

真鍋さんの潔い言葉に従い

少し速い足取りで来た道を戻る。

 

さっき渡ってきた渓流までくると、

水かさも流れの勢いも増して

すでに何人もの人が戻れずに立ち往生。

真鍋さんは再びぽんぽんぽんっと向こう岸まで渡り

持っていた傘もリュックもおいて川の途中の石まで戻る。 (まじかっ!まるで猿飛佐助!とぽかんと口を開けて見る私。)

まずは私を先に渡らせてくれた後、

残っている他の方々にも手を差し伸べて

全員が無事渡り終える。

真鍋さん(川の真ん中で手を貸している方)。

本当にスーパーヒーロー。

なんて素晴らしいガイドさんに

案内してもらったのだろう。

それも一対一のプライベートツアーという贅沢さ。

そこからは

引き続きいろんなお話を聞きながら

登山口まで雨の中の山歩き。

最初に渡った橋にはすでに増水のため入山禁止の表示が。

その後、台風は温帯低気圧になったとのこと。

慣れない山歩き。

それでも貴重な体験と冒険が出来たのは

ガイドの真鍋さんのお陰です。

本当にありがとうございました。

 

山歩きの中で聞いたお話。

島のこと

島いとこのこと

山歩きのこと

植物のこと

木や苔や岩

いろいろいろいろ

どれもとても興味深いお話でした。

山のお話は本当に楽しい。

その中でも印象的だったのは。

木にも「陰の木」と「陽の木」があって

どちらが良い悪いでもなく

強い弱いでもない。

自然の摂理。

共存。

 

素晴らしいガイドさん

素晴らしいお話

素晴らしい屋久島

本当にありがとうございました。

また訪れる日が来ますように。

誰か(家族でも友人でも)と一緒ももちろん楽しい。

でもひとり旅にはひとり旅でしか味わえない醍醐味がある。

普段は出会わない方と出会たり

あるいはお世話になったり。

知らない世界やお話に触れることができたり

いつもと違う挑戦が出来たり

新たな発見があったり。

屋久島は島のことをよく知る島認定のガイドさんもたくさんいて

優しい山歩きもありそう。

ひとり旅にはとっても素敵な島なんじゃないかなと思います。

屋久島。

ひとり旅。

おすすめです。

そして山歩きを。

その際は是非ともガイドさんに

いろんなお話を聞いてみてください。

*今回利用した屋久島ツアーはこちらでお世話になりました。オリオンツアー

*ツアー会社経由でしたが、たまたま担当してくださった屋久島公認の真鍋さんのホームページ。島いとこ

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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